私の友人にT君がいます。
T君はジャニーズ系の顔をしていて働き盛りの30半ばでもイケメンと言われる部類に入ると思います。
いや、実際同性の私から見てもイケメンでしょう。
目はパッチリしていて性格もおっとりしていて優しい。
身長はそこまで高くないのですが、きっと身長分の栄養が顔面にいったのかと思えば問題ないレベルです。
ただ一つ問題があります。
頭がひどく弱い事です。
そんなT君からある日電話がかかってきました。
「ねぇねぇ!関西弁の女の子ってよくない?めっちゃ可愛いやんなぁ?」
つって関東生まれ関東育ちの癖に関西弁のイントネーションで話してきました。
イントネーションに苛立ちを覚えながらも確かに関西弁は可愛いので同意しました。
するとT君は「今度一緒に大阪行かない?」と、気でも触れたのかな?って思うレベルの突拍子もない事を言いだしました。
簡単に行ける距離じゃないのにコイツ何言ってんだ?手にダーツでも持ってるのかな?
って一瞬所ジョージさんを彷彿させてきましたが、すぐではないだろうと思い、いいよと伝えました。
その一言が悪かったのか翌日から毎日のように「いつ大阪行くの?今週末空いてる?」などと言った急かす内容の電話が続きました。
いい加減うんざりしてきたので、そんな行きたいなら一人で言って来たらええやん!と関西弁のイントネーションで伝えました。
よっぽど私に断られたのがショックだったのか、その日からT君からの連絡が途絶えました。
ちょっとキツく言い過ぎたかな…と心配してたら1週間後にT君から電話が。
早速出てみた所かなり落ち込んでるようで、お前のテンションどこ?マントル?と思う程でした。
とりあえず話を聞くことにして、この1週間連絡なかったけどお前何してたの?という切り口で聞いてみました。
T君は「キミに断られた僕は本格的に関西弁を話す女性に癒されなければ傷が癒えないと判断したんや。」
コイツ1回大阪に行っただけで関西弁使うとか日本中に住む関西人ひとりひとりからひっぱたかれたらいいのにと思いましたがグッと堪えて続きを聞きました。
「そこで君と切った後、大阪で女性とお話が出来るようなお店を検索したんや。ほな、いっぱいあるんやけど、その中でめっちゃ可愛い子がおったんや」
「せやから、そのお店行こう思ってな。そんで週末行ったんや。そしたらその子出勤してないやん!どないなっとんねん!怒るでしかし!」
と、いきり立っているのですが、私がT君の関西弁にキレそうでした。
というか、確認して予約くらいしておけよ!お前の爪は飴で出来てるのか?爪が甘過ぎるだろ。そんな私の憤りを無視してT君が事の成り行きを話続けてくるので聞く事に。
「ただな、怒ってても仕方ないやろ?せやから近くにいたキャッチの人に聞いてみたんや。関西弁話す子おるか?って」
「したらキャッチの人がな『お兄さん、大阪なんやからいるにきまってますよ。』って言う訳よ。せやから俺も安心してそのキャッチの人のお店に入ってみたんや」
「俺は当然、関西弁を話す可愛らしい子が出てくる思うやん?」
「出てきたの関西人じゃなかった…開催弁ひと言も話さなかった…」
「いや、それだけならまだいいよ…関西人じゃないっていうか日本人じゃなくて中国人だった…」
「関西弁話さないっていうか日本語話せなかった」